「最良の答え」をエンジニアたちが力を合わせて見つけ出す

LSI設計 アナログ設計・検証

部長

アナログの核は「自然の原理」。現代の快適な暮らしに不可欠な存在

多くの人々にとって、「IC(集積回路)」という言葉は聞き覚えのあるものでしょう。基板に実装されるその重要部分こそ、私たちアナログ回路部門の主戦場です。ICはアナログ回路とデジタル回路で成り立っており、その組み合わせによってICを搭載した機器は目的とする性能を発揮することができます。

アナログ回路は、CMOSや抵抗、容量などの素子を用いて設計される電子回路です。連続的に変化する信号を扱う領域で、目的とする出力を実現するのに重要な役割を果たします。

アナログを分かりやすく説明すると、自然界はアナログ信号の宝庫です。光や温度、人間や動物の声など、強さや大きさが時間によって連続的に変化するのがアナログです。例えばイメージセンサーで光を捉える際にも、自然の摂理ともいえる原理をICに取り込むことがアナログ回路部門の仕事なのです。
アナログ回路は、さまざまな場所で広く活用されています。例えば、スマートフォンやパソコン、車、家電製品などに搭載されている、イメージセンサー、電源、オーディオなど、私たちの身近なツールや現代社会に不可欠なインフラを支える技術です。令和時代に入り、ITの進化やセンシング技術などニューテクノロジーの台頭により、技術の進化スピードはますます加速しています。中にはIC内のアナログ回路比率が高い製品も存在し、アナログ回路の必要性は今後も高まっていくでしょう。

アナログ回路設計は「正解が1つではない仕事」。
知識と経験を糧にベストアンサーを導き、お客さまの要求に応える

アナログ回路部門は、約60名のエンジニアで構成されており、1課から4課に分かれて異なる技術領域やお客さまの業務に従事しています。部門内のエンジニアは、工学、理学、電気電子工学の専攻出身者が多く在籍しています。また、数学や物理、情報科学を専攻していた人材もチームに所属しており、個々のエンジニアは多様なバックグラウンドと個性を持ちながらも活躍しています。

アナログ回路部門には責任感や最後まで取り組む強い意志を持つ人が目立ちます。一人一人がしっかりとした意志を持ちながらも、チームメンバー同士は意見を共有し会い、互いの考えをすり合わせられる特徴も備えています。この調和性が、チーム全体の一体感となり、チームの特徴になっていると思います。
配属された初期段階では、多くの人がアナログ回路の知識を持っていない状態でキャリアをスタートします。アナログ回路の技術的な要素は基礎学習だけでは伝えきれないため、先輩エンジニアとのOJT(On-the-Job Training)を通じて作業を重ねながら習得していきます。
アナログ回路設計の魅力は「正解が1つではない」という点です。数式を基に回路を設計し動作を導き出せたときに達成感を味わえます。その最適解を導き出すためには、回路構成や設計ノウハウ、経験値を高める姿勢がアナログ回路のエンジニアには必要です。

「正解が1つではない仕事」だからこそ、新たな仲間には向上心と柔軟性を期待しています。未知の分野に意欲的挑戦し、社会や技術に日々訪れる変化に適応できる思考を持つことは重要です。これはその人自身だけでなく、アナログ回路部門や三栄ハイテックスを成長させることにもつながります。
経験豊富なメンバーがサポートする環境のなかで、自分らしい特長を生かしながら、一人前のエンジニアにステップアップしていただきたいと願っています。そして、自身のスキルアップを通じて、アナログ回路部門や三栄ハイテックスの成長に貢献していただきたいと思います。

変革期を迎える今、アナログ回路設計の新たな可能性を探っていく

アナログ回路設計は、三栄ハイテックスの発展において不可欠な存在です。30年前からアナログ回路設計からレイアウトまでを一貫して手掛ける事業体制を築き、時代ごとのお客さまのニーズに応えながら技術やノウハウを蓄積してきました。この歴史ある部門に変革期が訪れています。2022年には、新チームを立ち上げ、新たな価値創出を目指しています。既存の枠にとらわれず、能動的な強みを生み出し、三栄ハイテックスのさらなる成長とお客さまへの期待以上の成果提供を推進します。
未来を創るための挑戦に加えて、日々の積み重ねも引き続き大事にしています。アナログ回路部門は、案件ごとにチームで対応し、一人のエンジニアだけでは完結しません。一人一人が力を結集することで、お客さまが求める品質を実現することができます。今現在、三栄ハイテックスを頼りにしてくださるお客さまのためにも、アナログ回路部門の団結力をより強固にしていくつもりです。
デジタル化が進んでいく中でも、大切な価値が変わることはありません。それは「思いやり」です。先端技術やサービスが進展しても、人と人とのコミュニケーションは変わりません。同僚やお客さまへの配慮や心遣いを忘れず、LSIを通じて世の中がより便利で快適になる様子を想像しながら、新たな価値創出に取り組んでいく…そんな未来を思い描いています。