エンジニアとして自動車産業の一翼を担い、新たな部門の伝統を築く

モデルベース開発

部長

効率的かつ品質の高いソフトウエア開発をサポート

モデルベース開発(MBD:Model-Based Development)は、ソフトウエアの設計手法の中でも革新的なアプローチです。従来の開発手法とは異なり、モデルベース開発はモデルを中心に据え、ソースコードを自動生成してソフトウエアを設計します。この方法は、設計段階での確認作業を効率化し、シミュレーションによって詳細な検証を可能にします。まさに「動く仕様書」とも例えられる手法です。

モデルベース開発の技術は、私たちの身の回りにあふれる製品に活用されています。自動車や家電、最新のロボティクスなど、組み込みシステムを備える製品に搭載されています。競争の激しい市場で差別化を果たすためには、新しい機能の導入や既存機能の向上が求められ、短期間で高品質なソフトウエアを開発する重要性が増しています。この背景から、モデルベース開発は実機を使用せずにシミュレーションを行い、効果的な開発を支える手法として大きな期待が寄せられています。
三栄ハイテックスでは、自動車部品の制御ソフトウエア開発において、モデルベース開発を採用しています。車載システムの一部に導入されており、ボディーやエンジンといった外観上は目立つ部分ではありませんが、目には見えない部分で自動車の安全性や安定性を支えています。

新部門が切り開く“モデルベース開発のプロフェッショナル”

三栄ハイテックスは、半導体事業からはじまり、IoTや人工知能(AI)などの多岐にわたる領域を手掛ける企業です。その中でも、モデルベース開発部門は異彩を放つ存在です。4つのチームで構成されており、そのうち3チームはお客さまの元でプロジェクトに従事しています。お客さまが実際に使用するシステム開発に直接関わりながら開発を行うスタイルは、300名を超える三栄ハイテックスのエンジニアの中でも特異な存在です。

モデルベース開発部門は、組み込みソフトウエア開発部門をルーツとした、2020年に設立されたばかりの新部門です。三栄ハイテックスの関連会社であるジェイ・エス・シーとの協力を通じて、モデルベース開発に進出しました。これが新たなビジネスチャンスとなりました。
当時のエンジニアたちには新しい挑戦が待ち受けていました。従来の手法である実機を使用した検証に慣れており、新しい分野であるモデルベース開発に参加することは容易なことではありませんでした。初めは慣れ親しんだ手法とは異なる領域での活動に戸惑いもありましたが、モデルベース開発部門は今や急成長を遂げています。企業としての新たな歩みを描く中で、エンジニアたちの成長も加速しています。

若手エンジニアと共に、企業の成長と新たな伝統の確立を目指す

設立されたばかりの部門のため、組織の体制もエンジニアも発展途上の段階です。現在のメンバーは約20名ですが、規模を拡大しながら、より多くの案件に対応し成果を上げることを目指しています。

未完成な組織体制は、未知の可能性を秘めているとも言えます。すでに開発フローが確立されたソフトウエア開発部門のノウハウを基盤にしながら、モデルベース開発のための独自のプロセスを構築しています。各チームのリーダーを中心としたエンジニアの高い技術力と真摯な姿勢が、お客さまの信頼を勝ち得る要因となっています。私は上長として、その動きを後押しできるよう努めています。

エンジニアの育成にも注力しています。大きな特徴は、モデルベース開発に求められる能力と意識を養うための特別カリキュラムです。プロジェクトの目的を理解し、作業計画とゴールを設定するスキル、不測の事態で計画が逸脱した場合にも柔軟に対応する力、自身の作業内容を明確に説明できるよう責任を持って取り組む姿勢など、いずれもお客さまの要求を実現するために欠かせない要素です。上長やリーダーが示す指針に基づき、若手エンジニアに「こういう要素を備えたエンジニアになれるよう教育しているよ」と示しながら、目標を共有して成長を目指せればうれしいです。OJTや実務に近いプロジェクトを通してスキルを磨き、本格的な開発プロジェクトに参加できるエンジニアにステップアップするまで、私たちは全力でサポートします。

エンジニアとして、お客さまの期待に応え、企業の発展に寄与する喜びを味わうことができます。さらに、モデルベース開発部門は「新しい組織の伝統を築く」という重要な使命を担っています。モデルベース開発エンジニアとしての道を進みたい方、三栄ハイテックスの未来を築きたいというチャレンジ意欲のある方と共に、新たな歴史を共に創ることを楽しみにしています。