【概要編】モデルベース開発(MBD)エンジニアへ!三栄ハイテックスのMBD技術者育成プログラム(OFF-JT)
2025.7.30
社員教育
三栄ハイテックスが注力するモデルベース開発(MBD:Model-Based Development)エンジニアの育成について、全4回のシリーズでご紹介します。
今回は、自動車ソフトウエア開発の現状と、当社で実施しているMBD技術者育成プログラムの概要をご紹介します。
MBD技術者育成プログラムは、未来の自動車開発を担うモデルベース開発(MBD)技術者の育成を目指す、三栄ハイテックス独自の育成プログラムです。複雑化・高度化する自動車ソフトウエア開発の現状、MBDがもたらす価値やメリット、そして未経験から業界の第一線で活躍できるエンジニアへと成長するための、当社の手厚い研修カリキュラムについて解説します。
複雑化する自動車開発を支えるモデルベース開発(MBD)とは
近年、自動車はその機能の多くがソフトウエアによって制御されており、「走るソフトウエア」と称されるほど複雑化しています。
「CASE(※)」に代表される技術革新に伴い、自動車に搭載されるソフトウエアはより高度化・大規模化しており、新たな要求を生み出しています。例えば、コネクテッド技術による「リアルタイムでの膨大なデータ処理」、自動運転における「ミリ秒単位の精密な判断」、シェアリング/サービスのための「新機能の実装」、電動化に伴う「高精度な駆動制御」などが挙げられます。経済産業省の報告では、2020年時点で自動車のソースコードは数億行に達するとされており、その複雑さと規模は現在も増大し続けています。

このような変革の時代において注目されているのが、モデルベース開発(MBD:Model-Based Development)という開発手法です。
従来の開発では、仕様書作成、プログラミング、実機テストという流れが一般的でしたが、高度で複雑なシステムにおいては、仕様段階での曖昧さや設計ミスが、後の工程で深刻な手戻りを引き起こすリスクがありました。
一方、モデルベース開発(MBD)は、仕様書を基にシステムの振る舞いを数学的なモデル=「動く仕様書」として表現し、シミュレーションに活用します。この「モデルへの置き換え」により、設計段階での詳細な検証が可能になります。また、「モデルによる情報の共有と共通化」や「早期の課題発見」は、手戻りを大幅に削減し、開発期間の短縮と品質の向上を実現します。
従来の開発では、仕様書作成、プログラミング、実機テストという流れが一般的でしたが、高度で複雑なシステムにおいては、仕様段階での曖昧さや設計ミスが、後の工程で深刻な手戻りを引き起こすリスクがありました。
一方、モデルベース開発(MBD)は、仕様書を基にシステムの振る舞いを数学的なモデル=「動く仕様書」として表現し、シミュレーションに活用します。この「モデルへの置き換え」により、設計段階での詳細な検証が可能になります。また、「モデルによる情報の共有と共通化」や「早期の課題発見」は、手戻りを大幅に削減し、開発期間の短縮と品質の向上を実現します。
※ CASEとは、自動車業界における重要トレンドを表す四つのキーワード「Connected(コネクテッド)」、「Autonomous(自動運転)」、「Shared & Services(シェアリング/サービス)」、「Electric(電動化)」の頭文字からなる造語です。
三栄ハイテックスのMBD技術者育成プログラム
三栄ハイテックスでは、このモデルベース開発(MBD)を導入し、研究・開発を積極的に推進しています。また、業界の第一線で活躍できるエンジニアの育成を目指し、独自のカリキュラムに基づいた手厚い研修を行っています。
主要な研修として、以下の二つが挙げられます。
主要な研修として、以下の二つが挙げられます。
MBD技術研修
当社のMBD技術者育成の核となる研修です。約400時間をかけてモデルベース開発周辺の知識を学びます。 第一線で用いられている開発ツールを活用して、モデル作成や動作検証を経験することで、実践的な開発プロセスをゼロから学習できます。試行錯誤を通じてモデルベース開発(MBD)の「考え方」と「使い方」の両方を深く理解し、実務参加に必要なスキルを習得することが可能です。
仕事力研修
優れたエンジニアには、技術力に加え、プロジェクトを推進する力が求められます。仕事力研修では、技術研修と並行してエンジニアの「仕事力」を鍛えます。文章力や進捗管理能力を身につけ、自信をもって業務に参加し、周囲からの信頼を獲得できるエンジニアを目指します。
これらの主要研修に加えて、「ソフトウエア研修」「CAN研修」「基本情報技術者(FE)試験学習」など、業務に関連する幅広い知識を学び、IT技術者としての基盤を築くための研修を複数用意しています。のべ半年以上にわたる充実した育成プログラムにより、未経験者の方でも各々のペースに合わせたスキルアップを実現します。
半年間のMBD技術者育成プログラム修了後は、OJTや段階的な実務経験の積み重ねを経てモデルベース開発の知見を深め、最終的には一人前のエンジニアとして業務に携わります。
次回以降は、具体的な研修内容として「MBD技術研修」「仕事力研修」「その他各種研修」をそれぞれ詳しくご紹介していきます。どうぞご期待ください!
執筆者プロフィール

O.K.
モデルベース開発
[2024年 新卒入社]
茨城大学 理学部理学科 卒業
モデルベース開発
[2024年 新卒入社]
茨城大学 理学部理学科 卒業

O.R.
モデルベース開発
[2024年 新卒入社]
名城大学 理学部機械工学科 卒業
モデルベース開発
[2024年 新卒入社]
名城大学 理学部機械工学科 卒業