【仕事力研修編】モデルベース開発(MBD)エンジニアへ!三栄ハイテックスのMBD技術者育成プログラム(OFF-JT)

2025.8.18

社員教育

三栄ハイテックスが注力するモデルベース開発(MBD)エンジニアの育成について、全4回のシリーズでご紹介します。
今回は、仕事力研修について紹介します。
業務を円滑に進める心得を知る「仕事力研修」:文章力やタスク管理能力の成長で技術者としての価値を最大化
ここでは、当社で実施している仕事力研修についてご紹介します。
本研修は、社会人に求められる業務遂行能力に焦点を当てたカリキュラムです。

部門作成の資料を用いた自学形式を通して、技術者に必要な論理的思考・文章力、業務を円滑に進めるためのスキル、作業見積もりと進捗管理を育成します。同時進行する別研修のタスクや日々の文書作成を活用しながら、正確な要件定義や適切な報告書作成ができる技術者を目指します。
技術者に求められるスキルと聞いて、どのようなものを思い浮かべますか?
プログラミングをはじめとする専門知識や専門技術を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。もちろんこれらのスキルは必須ですが、ただ専門性に優れるだけではチームの成果に貢献できる優秀な技術者とは言えません。業務をスムーズに進めるためには、文章力や進捗管理といった、いわゆる「仕事力」と呼ばれる能力こそが重要となってきます。当社では以下のカリキュラムを通して仕事力を身につけることで、現場で活躍できる技術者を育成します。

仕事力研修カリキュラム

仕事力研修のカリキュラムは以下の通りです。
  • 文章力研修
  • 仕事力基礎
  • 進捗管理基礎
  • 資料作成訓練

仕事力研修の目的と特徴

仕事力研修の目的

仕事力研修の目的は、資料作成やタスクの進捗管理など、社会人として求められる事務的なスキルを磨くことです。お客さまからの要求を正しく理解したり、自身の状況を適切に報告したりするために、文章力や資料作成能力を養います。また、プロジェクトチームの一員として連携をとるために重要な、タスクの進捗管理や、作業見積もりの立て方を学びます。

仕事力研修の特徴

本研修は社会人としての基礎能力にフォーカスしています。そのため、どんな内容の業務にも活用できる便利なスキルが身につきます。文書作成や進捗管理といった、学生にはあまり求められない能力の向上を目標としているため、小さなステップから段階的に学べる研修となっています。

育つ能力

技術者に必要な論理的思考・文章力

技術者として活躍するには「要求や仕様を正しく理解する」「論理的な報告・連絡・相談をする」「読みやすくて適切なビジネス文書を作成する」ことが求められます。そのため、専門的なスキルを磨くと同時に、論理的思考や文章力についても鍛える必要があります。
論理的思考を伸ばすことでシャープな文章構成を作れるようになり、文章力を伸ばすことでまとまった思考を相手に理解してもらいやすくなるなど、これら二つの能力は互いに深く影響しあっています。論理的思考という「考えるスキル」と、文章力という「書くスキル」を並行して磨くことで、技術者としての言語能力が飛躍的に高まります。
言語能力の向上がもたらすメリットは多岐にわたります。
 
  • 要求や仕様を正しく理解できる
    要求や仕様を正しく理解できるようになり、作業のやり直しが減り、精度の高い見積もりで計画が立てやすくなります。
  • 論理的な報連相(報告・連絡・相談)
    論理的な報連相ができるようになることで、割り振られたタスクの進捗状況や自身の抱えている問題を正確に共有でき、プロジェクトのスムーズな進行や問題の速やかな解決につながります。
  • 読みやすくて適切なビジネス文書を作成できる
    読みやすく適切なビジネス文書を作成できるようになることは、お客さまとの認識のすり合わせを円滑にし、技術者としての説明責任を果たす手助けにもなります。

本研修では、参考となる書籍を読み返しながら、研修課題を発表する資料の作成や、研修の進捗報告を繰り返すことで、これらの能力を身につけていきます。
論理的思考活用の一例:思考整理ピラミッドの縦(論理の帰結)と横(論理づけ)
論理的思考活用の一例:思考整理ピラミッドの縦(論理の帰結)と横(論理づけ)
「業務」と一言に言っても、プロジェクトや担当内容が変われば、お客さまからの要望も業務の進め方も当然変わってきます。しかし、どのような案件にも共通して活用できるスキルが存在します。

それが、受け取った要求を基に、達成までの道のりを組み立てるスキルです。本研修で扱う「業務を円滑に進めるためのスキル」がこれにあたります。
このスキルには「自身のタスクの把握」や「不明点の解消」といった下準備から、「要求の明確化と目的の設定」「要求の具体化と作業化」といった要求達成に直結するものまで、多くの内容が含まれています。

特に、仕事に慣れないうちは、とても難しいことを求められているように感じるかもしれません。しかし、業務内容をしっかり分析することで、本研修で学ぶシンプルなスキルに分解できるはずです。

達成までの道のりを組み立てられるようになれば、常に先を見据えて仕事に取り組むことができるため、作業の効率化につながり、タスクの管理がずっと楽になるでしょう。

本研修では、部門で作成した仕事力研修の資料を繰り返し読みながら、MBD技術研修の課題で実践していくことで、これらのスキルを身につけていきます。

自身のタスクへの作業見積もりと進捗管理

プロジェクトを成功に導くために、メンバー一人ひとりに何ができるでしょうか?
技術者として最高の品質を追求したい気持ちは当然ですが、常にそれが許されるわけではありません。

プロジェクト管理の分野では、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の頭文字をとったQCDという概念が非常に重要になります。

例えば、品質を上げようとすれば、それだけコストがかかり、納期も長くなる傾向があります。このように、QCDの要素は互いにトレードオフの関係にあります。プロジェクトはこれら三つのバランスを重視して計画されるため、メンバーも常にQCDを意識する必要があります。
では、技術者として品質の向上を目指しつつ、コストと納期も意識するためには、どのような能力が必要でしょうか?その答えが「作業見積もり」と「進捗管理」です。特に、プロジェクトマネージャーではない場合でも、自身の担当タスクにおいてはこれらの能力が求められます。
それぞれの能力について、具体的に見てみましょう。

作業見積もりとは?

作業見積もりとは、割り当てられたタスクの条件や分量から、作業の完了までにかかる時間を予測することです。精度の高い見積もりは、プロジェクトにおけるタスク配分の参考になるだけでなく、お客さまへの説明や提案の根拠としても活用されます。

進捗管理とは?

進捗管理とは、作業見積もりと現在の状況との差から、ズレの分析や計画の見直しを行うことです。適切な進捗管理を行うことで、プロジェクト全体の進捗状況を把握して、今後の方針を検討する上で役立ちます。
本研修では、研修資料を熟読して、作業見積もりや進捗管理に関する基礎知識を習得します。さらに、MBD技術研修の課題に対してPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を繰り返し回すことで、少しずつ作業見積もりと進捗管理の「勘」を身につけていきます。
 
QCDのイメージ図
QCDのイメージ図

汎用性の高い「仕事力」で、ビジネスパーソンとしての総合力を高める

「仕事力研修」で習得するスキルは、特定の業務に限定されるものではありません。ここで扱う内容は、すべての社会人に共通する基礎的なスキルです。
そのため、どのような業務に携わることになっても、この研修で身につけたスキルは幅広く役立つことでしょう。単に技術力を高めるだけでなく、ビジネスパーソンとしての総合力を向上させます。
次回は、「その他研修」について詳しくご紹介していきます。どうぞご期待ください!

執筆者プロフィール

O.K.
モデルベース開発
[2024年 新卒入社]
茨城大学 理学部理学科 卒業
O.R.
モデルベース開発
[2024年 新卒入社]
名城大学 理学部機械工学科 卒業