学生フォーミュラ日本大会2025 出展レポート

2025.10.7

イベント

学生フォーミュラ2025 静岡県ブースに出展
「ものづくり」の未来を紹介します
2025年9月、愛知県で開催された学生フォーミュラ日本大会2025に、三栄ハイテックスは静岡県ブースから出展しました。

学生の皆さんが設計から製造まで、たった一台のレーシングカーを自らの手で作り上げるプロセスは「ものづくり」の基本を体現しています。私たちも日々の業務で『ものづくり』の最前線にいますが、私たちが扱うのは、レーシングカーのような『形ある製品』だけではありません。自動車の中核となるソフトウエア、製造の効率化を図るAI、そして未来技術の基盤である半導体。私たちの技術は、作り上げたマシンの「速さ」「賢さ」「安全性」の向上に貢献しています。

今回のブースでは、当社の技術が『ものづくり』にどのように貢献できるかを、4つのテーマでご紹介しました。

今学んでいることが、未来の社会をどう変えていくのか、一緒に考えてみませんか?

車載ソフトウエア開発:従来型開発 AUTOSAR MCAL

当社は従来型の開発手法を用いて、AUTOSAR CP準拠のMCAL(Micro Controller Abstraction Layer)を開発しています。
MCALはマイコンのペリフェラルを制御し、上位層がマイコンを意識せずに複雑な制御を可能にする基盤となる機能を提供するソフトウエアモジュール群です。
マイコンの仕様を把握したうえで、車載の厳格な開発プロセスに基づいた品質を確保しつつ、顧客ニーズに応じた開発サービスを提供します。

車載ソフトウエア開発:車載制御系モデルベース開発

電動化(xEV)の進展に伴い、制御ソフトウエアは複雑化しています。当社はモデルベース開発を導入し、ソフトウエアの品質向上と開発効率化を進めています。xEVとは、従来のハイブリッド車から、エンジンやガソリンを使用しない電気自動車までを含む「電動車」の総称です。当社はモデルベース開発を通じて、世界最高水準の環境性能を追求する自動車メーカー/ECUメーカー各社のコア技術開発に貢献しています。

AI設計サービス:ディープラーニング

当社はLSI設計や組み込みソフトウエア開発の知見をもとに、FPGA・GPU・MPUなどのエッジデバイスとAIを組み合わせた開発を行っています。また、アルゴリズム設計サービスや、ベトナムのアノテーションセンターでの学習用データ作成も行っています。

主な取り組み

  • 実装ネットワーク:PixelNet
    前段(VGG16)で特徴を抽出後、各層の出力の大きさを重ね合わせ、後段の多層パーセプトロンで各クラスの確率に変換
    http://www.cs.cmu.edu/~aayushb/pixelNet/ MIT ライセンス
  • アルゴリズム設計:軽量化
    エッジデバイス実装のため、当社にてアルゴリズムを軽量化
    入力画像の縮小、Conv層出力数削減など
  • 再学習
    軽量化したネットワーク構成にて再学習(Pythonコード、FLOAT32)
    再学習のデータセットは、当社が取得・アノテーションした浜松市内の道路画像を使用
  • 出力クラスカスタマイズ(全22クラス)
    トラックやバスを「自動車」に統一
    「白線」クラスを追加

センサーAFE IC

センサーの用途は多岐にわたるため、すべてに対応できる汎用ICは現実的ではありません。当社が開発中のセンサーAFEプラットフォームは、自社のアナログIPやマイコンを応用し、用途に応じたアナログフロントエンド(AFE)を実現するソリューションです。設計に必要なインターフェースやIPの選定について、センサーに応じた最適な方法を提供します。

ブースの様子

会期中、多くの学生の皆さんにブースへご来場いただきました。技術に関する質問や意見交換を通じて、活発な交流ができました。短い時間ではありましたが、参加した皆さんの視点から、ものづくりの現場に求められていることを改めて感じる機会となりました。

お客さまの本質的な価値を追求し、最高の未来を創造します

私たちはお客さまの要望に応えるだけでなく、その奥底にある真の目的を見つけ出すことから始めます。表面的な課題を解決するだけでなく、お客さまの事業や組織が本来持つ力を引き出し、最高の価値を生み出すお手伝いをします。

本質を捉え、形にする「要求理解と計画力」

目の前の要望の奥にある本当の目的は何か。私たちは、その問いを深く掘り下げ、潜在的なニーズまで見つけ出します。
漠然としたアイデアも、具体的なアクションへと細分化し、必要な要素を一つひとつ洗い出します。そして、最も効率的かつ確実に目標を達成するための緻密な計画を立て、実行します。

立ち止まらず、最適解を導く「問題解決力」

予期せぬ困難に直面した時でも、私たちは決して立ち止まりません。問題の核心を究明するため、社内だけでなくお客さまとも密に連携し、迅速に解決策を探します。常に最善の答えを求め、一歩ずつ前へと進む力を大切にしています。

日々を更新する「探求と改善力」

一度の成功で満足することなく、常に自身の仕事やプロセスを振り返ります。何が成功要因で、どこに改善の余地があるのかを深く掘り下げ、真の原因を見つけ出します。そして、その学びを次の挑戦にいかし、常に昨日を上回る結果を追求します。
あなたの「技術」を、地道な開発を通じて「未来の価値」に変えていきませんか?