自社技術開発製品紹介

2021.11.15

会社紹介

当社では、「人工知能の設計」「新規技術の開拓」「設計の効率化」を軸に、独自の研究開発を行っています。R&Dグループでは2つのプロジェクトが進められています。
今回は、このうち「アナログLSI向け技術開発」プロジェクトで進められている自社技術開発製品についてご紹介します。
「アナログLSI向け技術開発」プロジェクトは、2019年に新設されたプロジェクトです。アナログLSI向け―その中でもADCを中心とした技術開発を行っています。
当社の技術部門では、お客さまからの依頼によってアナログLSI全体やLSI内部のアナログブロックを設計しています。
お客さまからは、低消費電力、高精度、高速、低コストへの要望が常にあります。R&Dグループでは、技術部門に先駆け、より高性能なADCを先行開発しています。

ADCとは

ADCとは、Analog to Digital Converterの略称です。アナログ情報をデジタル情報に変換するデバイスのことを指します。
音や明るさ・圧力といった現実世界の測りたいものはアナログ情報です。
このアナログ情報をデジタル情報に変換するための橋渡し役がADCです。ADCは、センサーを搭載する多くの機器で利用されています。
身近な例ではスマートフォンのマイクやカメラにもADCが搭載されています。前者の例では、空気の振動をマイクで電圧に変換し、電圧をADCによってデジタルデータに変換します。デジタル化によってノイズキャンセル等のさまざまな付加価値が生まれますが、その隣には必ずADCが使われています。

詳しくは、以下のページをご覧ください。

自社技術開発製品の活用シーン

今回は「高速+高分解能のパイプラインADC」と「サイクリックADC」を開発しました。
高速+高分解能のパイプラインADCは、先行開発なので具体的な搭載商品は決まっていませんが、一般的には超音波センサー、エックス線画像、MRI、CCD、無線通信等の用途に用いられます。
サイクリックADCは高分解能な汎用のADCです。主に現在アナログ出力のセンサーをデジタル化する目的で、モーター用電流センサー、圧力センサー、光センサー、等の用途を想定しています。
社名が入っています!

開発エピソード

「高速ADC」、「高分解能ADC」は設計実績がありましたが、「高速かつ高分解能なADC」の開発は初めてでした。回路設計時には性能の両立に苦労し、何点か新規技術を開発して課題を解決しました。
高性能なADCでは、回路設計だけでなく実際の製造図面に起こすレイアウト設計も重要です。例えばスイッチやコンデンサといった基本的な素子の場合でも、図面上の配置を考慮しないと性能を引き出すことができません。このため、早い段階から回路設計とレイアウトのチームで連携して開発に取り組みました。
1円玉と大きさを比較しました!
サイズは9mm四方です。

当社の強み

回路設計だけでなく、レイアウト設計/評価の技術も保有していることが当社の強みの一つです。アナログLSI開発の全工程を一貫対応することで、お客さまから要望された仕様通りの性能を達成します。今回開発した高性能ADCのような難しい課題の場合、特に一貫対応できることが生きてきます。
また、アナログLSI開発に関わる人員が140名以上と規模が大きく、アナログ回路設計としても20年以上の経験があるため、さまざまなご要望に応えるアナログLSI開発ができることも強みです。
ある程度の規模があるため、LSI設計の業界標準のCADツールを自社で保有し、アナログLSI開発の教育を行う体制があります。

R&Dグループ 第2プロジェクト/課長 に話を聞きました!

メッセージ

学生の方へ

当社に入社される方、アナログLSI開発の部門に配属される方は、半導体・電子電気の経験がある方ばかりではありません。1年間の社員教育を経て、一人前のエンジニアになる準備を進めていきます。勉強熱心・研究熱心で、入社後にも継続してスキルアップしたい、技術に対して向上心の強い方におすすめです。

転職を検討されている方へ

日本の半導体産業黎明期からLSI設計専門企業として実績を積み重ねてきた当社は、多くのニーズに応えることを使命として、積極的にキャリア採用を進めています。アナログ回路分野や設計工程の中で1つでも経験があれば生かせる環境が当社にあります。
豊富な経験とノウハウを持つ当社は、教育プログラムも充実しています。未経験であっても、新しい分野に挑戦したいという意欲がある方を歓迎します。
技術革新・環境・教育・人材の4つのテーマで、SDGsの理念に沿った事業活動を目指しています。
産業と技術革新の基盤をつくろう
気候変動に具体的な対策を
2030年目標:LSIパワーマネージメント、AI回路技術でシステム電力を1/10に
LSI/半導体は省電力化と高性能化を実現し続け、さまざまな分野の技術革新を支えています。当社は、LSI/半導体設計技術を基盤にあらゆる産業分野や業界の技術に注視し、未来志向の企業としてグローバルな発展を目指しています。人工知能(AI)開発におけるアルゴリズム設計では、独自のノウハウでのニューラルネットワークを設計します。三栄ハイテックスにおけるエンジニアリングサービスは技術革新を担うものであり、当社が持続し拡大することで産業と技術革新の基盤に寄与します。また、目指す省電力システムにより、省エネルギー社会に貢献します。